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2022.02.15

みのる田植機は2022年春、北海道導入50周年をむかえます

レポート

今から50年前の1972年(昭和47年)北海道で初めてみのる田植機が導入されました。北海道の稲作とみのる田植機の50年の軌跡をご紹介いたします。


明治初期、北海道開拓使の農業育成方針では、北海道の道南地域以外は稲作に向かないと政府が判断していましたが、1873年(明治6年)10アールの水田から6俵弱(345kg)の収穫に成功し、本格的に北海道で稲作が始まります。

その後の品種改良や栽培技術の進歩によってオホーツク地域でも栽培が可能になり生産は北海道全域に拡大しましたが、数年に一度、冷害が発生する厳しい環境であり安定的な生産を維持する事は難しい状況でした。

特に環境が厳しい寒冷地の稲作においては、大きな苗を傷みなく植え初期生育を促進して収穫を早めることが重要であり、加えて田植作業は大きな労力を必要とする事から機械化を望む声が多くなりました。




当時、各メーカーでは動力式田植機の開発/生産を進めていましたが、その殆どは省力化に特化した製品であり、そのような状況の中でみのる産業株式会社(岡山県)は省力化と併せて良質米の多収を目的として研究を進め1969年(昭和44年)に2条植えの土付中苗田植機「ひかり2号」を開発します。


1971年(昭和46年) みのる産業株式会社と北海フォードトラクター株式会社(現:日本ニューホランド株式会社)が北海道に於けるみのる田植機の販売について契約を締結し、1972年(昭和47年)に78台の歩行型2条田植機LTH-2Fを北海道に導入しました。
販売当初は、「根を切って植えるので苗が浮いてしまう」といった批判的な声もありましたが、農業試験場や農業改良普及センターの栽培試験を経て1976年(昭和51年)北海道の栽培基準に正式に認可され、翌年の1977年(昭和52年)には歩行型2条と4条田植機を2,079台販売しました。


寒冷地である北海道では、数年に一度、冷害が発生しており、どんな気象条件でも良質米を増産できる「米づくり」を目的として開発を進め、1980年(昭和55年)に、現在のポット栽培の礎となる歩行型ポット田植機(LTP-2F及びLTP-6F)を発表し25台を試験販売しました。


現在、「ゆめぴりか」をはじめとする北海道米は全国で消費され人気を博していますが、以前の北海道米は「やっかいどう米」と揶揄され、良品質や安定的な収量を維持する事が難しい状況でした。
今日の北海道米ブランド確立の先駆けとなった「きらら397」は1989年(平成元年)に生産が始まり、その栽培には成苗ポット栽培が推奨される等、品種改良や栽培技術の進歩は勿論ですが、みのる田植機による移植面積の拡大に比例して一等米の出荷率が大幅に向上しました。



1972年に販売を開始して以来、現在までに約37,000台を北海道に導入し、市場の動向やユーザーからの要望に対応する為、日々、研究開発を重ね、歩行型から乗用型へ、また植付条数も2条から4条、4条から6条と多条化しており、近年は8条田植機の販売が多くなっています。

1972年(昭和47年) 歩行型2条田植機 LT-2F 販売
1974年(昭和49年) 歩行型4条田植機 LT-4F 販売
1978年(昭和53年) 乗用型4条田植機 LTR-4F 販売
1979年(昭和54年) 乗用型8条田植機 LTR-8 販売
1980年(昭和55年) 歩行型ポット田植機 LTP-2F, LTP-6F 販売
1987年(昭和62年) 乗用型ポット田植機 LPR-6 販売
1992年(平成4年) 高速植付部/VS駆動 RX-6 販売
1999年(平成11年) 2人乗りデュエット田植機 RXA-6 販売
2000年(平成12年) 軽量/後輪4輪 RXB-6 販売
2001年(平成13年) 乗用型ポット8条田植機 RXA-8 販売
2002年(平成14年) 自動供給装置搭載 RXC-6 販売
2005年(平成17年) 電動マーカー搭載 RXD-6 販売
後輪スイング機構搭載 RXE-6 販売
電動マーカー搭載 RXD-8 販売
2007年(平成19年) リヤマウント8条田植機 RXG-8 販売
2012年(平成24年) 軽量/高出力エンジン搭載 RXE-60 販売
2013年(平成25年) ディーゼルエンジン搭載 RXG-80D 販売
2017年(平成29年) 直進アシスト機能搭載 RXG-80DGS 販売
2022年(令和4年) 苗箱破損軽減装置/新エンジン搭載 RXE-61 販売



今から50年前の1972年(昭和47年)北海道で初めてみのる田植機が導入されました。

当時は大手メーカーが開発競争を繰り広げ田植え作業の機械化を推し進めていましたが、各社がマット稚苗を採用する中で、唯一みのる田植機は土付中苗(型枠)を採用し拡販を目指しました。

「少しでも手植えに近い苗を植えることが、本来の米づくりの命である」というみのる産業の創業者である故生本實会長(当時社長)の強い信念の元に開発された田植機です。

みのる産業がハードウェア、北海道の総代理店である北海フォードトラクター(現:日本ニューホランド)がソフトウェアを担当し、全道のみのる田植機販売店の協力の下、北海道に於ける稲作の体系づくりに取り組みました。

寒冷地である北海道では、オリンピック冷害と言われていたように4年に一度の冷害があり、どんな気象条件でも良品質で増収を期待できる米づくりを願い、他社に先んじて1980年(昭和55年)『みのる成苗ポットシステム』を開発し販売しています。

当時は「機械を売るのではなく、苗を売るんだ」という意気込みで、育苗箱一枚を稲作農家に持ち込んでポット栽培をPRしたり、育苗講習会や青空教室また稲作反省会を開催し、昼夜を徹した地道な普及活動が続けられました。

この様な活動が実を結び、成苗ポットに栽培方法を変更したお客さまからは「収量が上がった」「冷害なのに米がとれた」という声を多く頂き、ポット苗箱の供給が不足するほど全道各地で成苗ポット栽培は急速に拡大しました。

北海道におけるポット栽培の普及については、みのる産業・みのる田植機販売店・日本ニューホランドの三者による「情熱」と「信念」が集結したことと、何よりも稲作農家の皆さまのお力添えがあったからこその結果です。

日本人の主食であるお米は、生産・流通・消費という面で自由競争の厳しい時代を迎えています。
お米づくりは北海道の大切な基幹産業であり、みのる田植機は昔も今も、そしてこれからも「おいしい米」「売れる米」「安全な米」を目指してお米づくりに携わる水稲農家の皆さまを応援致します。



■みのる田植機に関するお問い合わせはお近くの【みのる田植機販売店】までご連絡ください

みのる田植機販売店 (北海道みのる会会員店)
安東産業 株式会社 旭川本社 旭川市永山2条12丁目 2‐23 0166‐47‐1811
深川営業所 深川市4条16番4号 0164‐23‐4101
岩見沢営業所 岩見沢市岡山町12‐4 0126‐22‐0893
株式会社 旭川シバウラ 旭川市東鷹栖東2条1丁目137 0166‐57‐5923
有限会社 常磐商事 芦別市常磐町516 0124‐22‐3266
上士別農機 有限会社 士別市上士別町15南3 0165‐24‐2385
遠藤農機 有限会社 上川郡和寒町西町1 0165‐32‐3283
株式会社 桑原農機商会 名寄市風連町北栄町175‐11 01655‐3‐4311
北海道ノダ 株式会社 岩見沢本社 岩見沢市大和2条4丁目 1 0126‐22‐0236
滝川営業所 滝川市有明町3丁目1ー49 0125‐23‐3001
北央共立販売 株式会社 岩見沢本社 岩見沢市東町697番地 0126‐22‐6262
奈井江支店 空知郡奈井江町茶志内970ー10 0125‐65‐5115
株式会社 砂田興産 島松本社 恵庭市島松東町1丁目2番1号 0123‐36‐8706
南そらち支店 夕張郡栗山町松風3丁目109 0123‐72‐0628
有限会社 田辺商事 樺戸郡月形町市北8 0126‐53‐2144
株式会社 岩佐商会 函館本社 函館市桔梗2丁目36番8号 0138‐47‐2000
仁木店 余市郡仁木町北町10丁目10番地 0135‐32‐2535
城ヶ崎産業 株式会社 本社 岩内郡共和町発足123ー11 0135‐74‐3301
銀山支店 余市郡仁木町銀山2丁目58‐1 0135‐33‐5880
有限会社 五十嵐農機 磯谷郡蘭越町97番地 0136‐57‐5426
有限会社 杉浦工作所 久遠郡せたな町北檜山区164番地 0137‐84‐5634
株式会社 ホクノウ機器販売 瀬棚郡今金町字田代62‐6 0137‐82‐0227
有限会社 山田機械商会 桧山郡厚沢部町新町36‐11 0139‐64‐3056


みのる産業株式会社 〒709-0892 岡山県赤磐市下市447